
NEWS
2026.06.12
2026年6月12日
センター長 指宿信
治療的司法研究センターでは、学生サポーターを毎年募集しています。センターの様々な活動への協力のほかに自分たち自身で自習プログラムを計画して学びを深めるなどしています。以下は、学生サポーターたちへのアンケート(①サポーターとして考えるセンターの意義、②サポーター経験で良かったこと)の結果です。(写真は本年2月の千葉刑務所参観の際に撮影)
法学部4年生女子
①学生サポーターとして活動する中で、治療的司法研究センターの活動には、犯罪をした人をただ処罰の対象として見るのではなく、その人がなぜ犯罪に至ったのか、再び同じことを繰り返さないためには何が必要なのかを考える意義があると感じました。
特に、依存症や生活上の困難など、本人が抱えている問題が解決されないままでは、刑罰を受けたとしても再犯につながってしまうことがあるという点は、刑事司法を考える上でとても重要だと思いました。治療的司法の考え方は、犯罪をした人の責任を曖昧にするものではなく、むしろ再犯を防ぎ、社会の安全にもつながる考え方なのだと感じています。
②学生サポーターをやってみて良かったことは、今年の2月に千葉刑務所の受刑エリアを見学できたことです。実際に受刑者を間近で見る機会はなかなかなく、非常に貴重な経験でした。また、職員の方から千葉刑務所の役割や受刑者の処遇、施設内での生活などについてお話を伺うことができ、普段の授業だけでは知ることのできない刑事施設の現実に触れることができました。
資料や動画を見た後に、他のサポーターの意見や感想を聞けたことも良かったです。同じテーマについて考えていても、人によって受け止め方や問題意識が違い、自分にはなかった視点を得ることができました。活動を通じて、犯罪や再犯防止の問題を一面的に見るのではなく、さまざまな立場や背景から考えることの大切さを学ぶことができたと思います。
法学部2年生男子
①友人が千葉刑務所を訪問したことを知り、様々サポーターについての話を聞いたところ興味を持ち参加した。日本唯一の施設との事で、ここでしか知ることができないことを沢山知ることができた。今年は窃盗症について勉強するが、自分は全然知らないのでとても楽しみにしている。成城大学に来なければ知ることができないことが沢山あるのがセンターの意義だと感じた。
②先述の通り、センターが成城大学にしかないので他の大学では知ることができない司法と治療というふたつの関わりについて知ることができる。また、これに関連する施設の訪問もある(私は参加した時期的に訪問ができなかったが)ので、本当に良い経験ができるのが良い点と感じた。
文芸学部1年女子
①治療的司法という支援によって再犯を防ぐという考えを映画鑑賞会で初めて認識したため、この活動を認知する人を増やせることにまず意義があるなと思った。これまでは刑務所に入った人が3食満足に食べられている状況もなんだかなと思っていたところがあったけど『塀の中の中学校』の作品を見て、治療的司法研究という将来を見据えた選択肢があるのだとそこで初めて知った。ずれた話になるかもしれないが、今までは重罪を起こした人は死刑になってもしょうがないと思っていたし、死刑の必要性について小論文を書く際にも必要なものだと認識していた。しかし、この活動を知ったことによって、少し考えが変わった気がする。この治療的司法の活動がその人だけでなく将来的に私たちを守ることにも繋がるということや罪を犯した人(罪を犯した時点でその人が悪いのはそうだけど)にも同情してしまうくらいの理由があることや、発達障害を持っている人がいることなど、それぞれに理由があることを改めて学んだ。実際被害者の方の気持ちを完全に理解することはできないし犯罪者が充実した生活を送れているのに自分の家族は、、という感情になることが多いと思うのでそこが難しいなと思うけど、当事者でないからこそこのような問題について考え続けることが学びになると感じた。
②まず他の人の考え方を知れることで、友達との間でここまで真剣に司法について考える機会がなかったので、他の人が何を考えているのか知ることができて、それを発展していく先生がいてくださって、とても貴重な経験をできているなと思う。刑務所にはまだ行くことができていませんが、現地に足を運ぶきっかけを利用すればもっと自分の視野を広げられるのかなと思っている。
法学部2年男子
①センターの活動意義には、治療的司法という特異的な学修内容・治療的司法の存在を広めようと、強く発信している点・学生サポーターに、普段は出来ない能動的な学修の機会を設けている点・別の学部の学生サポーターと、法学について学べる点があります。
まず、学修内容について。治療的司法では、法学だけでなく心理学的要素もあります。私は、心理学にも興味があったので、この、学問的に多面性を持つ治療的司法の存在に、強く惹かれました。この学問について、大学1~4年生、学部問わず学べる点は、唯一無二です。
そして、その唯一無二の学問の存在を広めようと、強く発信している点は、センターの活動維持だけでなく、二次三次的に見れば、多くの人に影響を与えます。強く発信することで、センターに興味をして下さる方、センターの活動に協力して下さる方等が現れて、今後の活動の維持に繋がります。それだけでなく、治療的司法の存在が広く知れ渡れば、今までの司法体型で救われなかった方の、救われる契機になる可能性もあります。更にこのセンターだけでなく、各所で治療的司法について学ぶ機会・機関が生まれれば、治療的司法が発展し、今後の司法体型そのものに発展を与える可能性も、少なからず孕んでいます。
能動的学修の機会については、後述のやってみて良かったことのところで、詳細に書きました。もう1点追加するならば、サポーターの学びたいことを学べる点も強みだと思います。
最後に、他学部生と法学を学べる点についてですが、基本的に法学の授業は、法学部生が多いです。それは当然だと思いますが、センターではサポーターの学部を問いません。他学部生が治療的司法、広い範囲に括ってしまえば、法学について学んだ際、どのような感想・考え方を持つのかを知ることが出来るのは、学修の視野の拡大に繋がります。また、前述のサポーターが学びたいことを学べる際でも、提案の際、他学部特有の視点があるので、これもまた学修の拡大に繋がります。
②学生サポーターをやってみて最も良かったと感じたことは、普段の大学の講義では中々機会のない、能動的な学修が出来ることです。
特に、私はまだ2年生であり、基本書演習・基礎演習こそありましたが、それ以外では受動的な座学が講義の中心でした。無論、未だ基礎的な部分を学修しているので、座学中心になることは承知致しています。しかし、過去に裁判の傍聴に参加したことがあり、そこで経験した生の学修は、強く印象に残りました。そのため、そのような座学以外による学修のスタイルに対する意欲がありました。
私は、センターの存在を知った際、前述の通り、治療的司法に対する興味があったことは勿論、活動内容の中に施設見学等の能動的な学修が含まれていることに惹かれ、学生サポーターになることを決めました。実際、センターの活動では、講演会や刑務所見学などの、実際に自分の目や耳で見る・聞く学修体験がありました。現場の第1線及びそこで活動している方のお話には、特有の重みがあり、また、普段の講義では学ぶことの出来ないことも、知ることが出来ました。特に刑務所見学は、裁判傍聴と違い滅多に出来ることではなく、実際の刑務所の雰囲気は忘れられません。実際に刑務所で働いている方のお話を聞き、刑務所及び拘禁刑の今、課題となっていること等を深く学べました。
もう1つ良かったことは、センターの運営に深く関わることが出来た点です。私は、絵を描くとこが好きで、デザイン等の作業が得意だったので、センターのグッズ制作に参加しました。この制作で、自身の所属する書道部としての実力を活かすことが出来ました。またデザインから見積もり、実際の発注までの工程を自分で行えたことは、今後、社会人として生きていく上で、役立つ経験でした。
今年度では、ノベルティ制作以外にも各々の学生サポーターに役割が分担されました。役割が与えられた状態で活動することで、学生サポーターにセンターの一員である意識が芽生えます。そして、少人数かつ細分化された形態をとっているため、一人一人の役割が欠かせない、重要なものとなっています。なので、学生サポーター皆でセンターを支えているという連帯感があります。