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  • 2026.06.22

    【データサイエンスの実践的学び②】「データサイエンス特殊講義Ⅲ」にゲストスピーカーとして富澤宏紀氏(三菱UFJ銀行)が登壇

データサイエンス教育研究センターが開講する「データサイエンス特殊講義Ⅲ」は、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会(https://peopleanalytics.or.jp/)のご提供により実施しています。この授業では企業の人事戦略にデータサイエンスを活用する取り組みである「ピープルアナリティクス」について学びます。
全15回の授業のうち3回、企業人事やコンサルタントとしての実務経験を有するゲストスピーカーによる講演が行われます。

6月15日の授業では、株式会社三菱UFJ銀行人事部の富澤宏紀様にご登壇いただきました。ホワイトボードに映し出された講義タイトルは「人事はデータではできない でも、データにできることは少しある」という意外なもの。講義を通して、その真意がだんだんと解き明かされていきました。
人事はデータ分析だけではできない理由の一つ目は、人事には「正解がない」ということ。例えば、昇格とエンゲージメント(会社や仲間と一緒にビジョンを達成したいという双方向のつながり)の関係において、昇格させたからエンゲージメントがあがったのか、その逆でそもそもエンゲージメントが高い人だから昇格したのかは、そう簡単には判定できないことを解説されました。また、個人のパフォーマンスの高低は何を基準にするのか(企業の利益、人事評価、将来性等)や、人事異動は何をもって最適化をするのか(本人の成長と組織の即戦力は両立するのか)といった、人事における正解の出ない問いが示されました。
二つ目の理由は、採用しなかった人や昇格させなかった人の「もしも」は観測できないという点です。そうした「しなかった人」の方が、圧倒的に数が多いにもかかわらずデータを取ることができないため、分析に用いるデータが正確性に欠けてしまうのです。そして三つ目の理由は、人事とは「人」が行う意思決定であるため、バイアス(判断の偏り)を完全に除去することができないということです。
このように人事においてデータ分析が万能ではないということを常に意識しておくことが大切だと富澤様は言います。その一方で、データ分析が人事業務の負担を軽減できることも事実です。膨大な人事データをAIで処理し数値化することで、従業員を多面的に評価したり、異動の動機付けを従業員に説明したり、従業員のエンゲージメントをはかるアンケート項目を考えたりといった「発見・説明・問いの設計」にAIは活用できます。
AI活用の事例として、富澤様のチームが開発した「TalentBank」が紹介されました。「TalentBank」とは各ポストに必要なスキルと従業員全員の人事データをAIで解析し、条件にあった人を自由自在に探せる人材検索アプリです。元々データ分析が専門である富澤様に対して、学生から「システム開発に対する知見はどのように身につけたのか」という質問があがりました。富澤様からは「システム開発の専門家になる必要はない。重要なのは、このシステムをどのような場面でどのように利用するのかを想像できること。」という答えをいただきました。また、学生たちに向けて「人事のデータアナリストとは、数学とシステム開発と人間理解の間にある仕事です。そのためデータだけでは解決できないが、データが役に立つこともたくさんあります。データアナリストを目指す方はそのバランスを意識してほしい」とメッセージを送りました。
学生たちからは「学生時代の経験が現在の仕事に活かされていることはありますか?」「どのくらいのレベルであれば、データ分析ができると言えますか?」「どういう人と一緒に仕事をしたいと思いますか?」「人事担当者に必要な能力は何ですか?」など多くの質問が寄せられ、人事分野のデータアナリストという仕事への関心の高さが伺えました。
「データサイエンス特殊講義Ⅲ」は学生たちにとって、具体的に将来を想像できる貴重な学びの時間となっているようです。

※ゲストスピーカーの講義回は履修学生以外の学生も受講できます。次回のゲストスピーカーの登壇は7月6日を予定しています。

  • 株式会社三菱UFJ銀行人事部 富澤宏紀様
    株式会社三菱UFJ銀行人事部 富澤宏紀様

  • 意外なタイトルから講義がスタート
    意外なタイトルから講義がスタート

  • わかりやすい図解とともに解説
    わかりやすい図解とともに解説

  • 学生からたくさんの質問がありました
    学生からたくさんの質問がありました