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2026.07.21
未知のショックから、効率性をどう回復するか
コロナ禍を題材に、データで「社会のリジリエンス」を読み解く研究
“Technical efficiency and resilience of health systems in Japan during the COVID-19 pandemic”(東京大学医学系研究科橋本明弓助教、東京大学医学系研究科橋本英樹教授、慶應義塾大学経済学部井深陽子教授との共著)がSocial Science and Medicine誌(Volume405)に掲載されました。
本研究では、コロナ禍という予測が難しい外部ショックのもとで、地域医療体制の効率性がどのように低下し、そこからどのように回復したのかを分析しました。注目したのは、単に「成果が大きかったか」ではなく、限られた人員・設備・財源などのリソースを活用しながら、高い効率性をどの程度取り戻せたかという点です。
分析には、SFA(確率的フロンティア分析)という手法を用いました。SFAは、投入された資源に対して本来どこまで成果を上げられるかを推定し、実際の成果との差から効率性を測る方法です。本研究ではさらに、感染拡大の波ごとの影響を考慮することで、コロナ禍のように状況が大きく変化する時期の効率性を、より現実に近い形で評価しました。
この研究の技術的な強みは、効率性を1時点で比べるだけでなく、コロナ禍での第2波から実質的に収束した第8波までのデータを用いて「これまで経験した事の無い未知のショックで効率性が下がった後、限られたリソースの中でどれだけ回復できたか」を、リジリエンスの観点から捉えたことです。リジリエンスとは、困難に直面したときに持ちこたえ、立て直す力を意味します。
河口教授の専門は医療経済学で、本研究ではデータ分析部分に貢献しています。