成城大学

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  • 2026.06.12

    2026年度Seijo Career Program(SCP)レポート: 羽田空港で航空業界のキャリアを学ぶ

 キャリアデザイン科目(Seijo Career Program)の「キャリア・プラクティスⅠ〈ホスピタリティ〉」1)では、2026年5月29日(金)に羽田空港にてフィールドスタディを実施しました。
 本科目では「ホスピタリティ」を、職業人・世界市民としてのおもてなし・歓待と広義に捉え、専門家・実践家より学び、自らも体現しながら、人としての在りようを追究していきます。フィールドスタディの目的は、航空関係で活躍される諸先輩の現場での実践を通して、ビジネスの仕組み、仕事のながれ、チームワーク、個々のやりがいを体験的に学ぶことにより、学生自らのライフ・キャリアの構築と今後のホスピタリティ実践に生かしていくことです。
 この授業は金曜日第5時限に設置されているため、学生らは第4時限の授業を終え、成城キャンパスより羽田空港に出向き、第1旅客ターミナルビルに集合。機内食の調製を行なう株式会社ティエフケー2)(TFK、敬称略:以下同)へ空港循環バスで移動し機内食の調理、流通、管理といった一連の工程を見学しました。その後、羽田空港国際線第3旅客ターミナルに移動し、講師の柴﨑雄一氏3)(本学卒業生)の進行によりチェックインカウンター前にて搭乗手続きのながれを見学し、乗務員への質疑を行いました。

  • 土岐祐介様とベンジャミン ヨウ様より「機内食に込めたホスピタリティ」を学ぶ
    土岐祐介様とベンジャミン ヨウ様より「機内食に込めたホスピタリティ」を学ぶ

  • 市川勇気様の案内にて機内食工場を実際に見学
    市川勇気様の案内にて機内食工場を実際に見学

  • 機内食を機内に載せるプロセスを聞く(学生撮影)
    機内食を機内に載せるプロセスを聞く(学生撮影)

  • 冨田駿様に見送られ空港循環バスに乗りTFKより空港へ移動
    冨田駿様に見送られ空港循環バスに乗りTFKより空港へ移動

  • 空港のチェックインカウンターにて柴崎雄一様によるガイダンス
    空港のチェックインカウンターにて柴崎雄一様によるガイダンス

  • 出発を控えた乗務員皆様にホスピタリティについて話を聞く
    出発を控えた乗務員皆様にホスピタリティについて話を聞く

  • 自由時間には各々グランドスタッフへのヒアリングや展望台の視察を(学生撮影)
    自由時間には各々グランドスタッフへのヒアリングや展望台の視察を(学生撮影)

  • 羽田空港国際線第3旅客ターミナルにて全員で記念撮影
    羽田空港国際線第3旅客ターミナルにて全員で記念撮影

フィールドスタディに参加して(学生)

 今回はずっと楽しみにしていた羽田空港での授業でした。まず移動中にクラスメイトからホスピタリティを感じました。電車で席の譲り合いをしたり、乗り換えが複雑なときに土地勘のある人がみんなを引き連れてくれたりしました。ホスピタリティに溢れる人たちばかりで優しい世界が生まれていました。無事に羽田空港に到着し、機内食工場を見学しました。私は最初、機内食の製造を行っているだけだと思っていました。しかし、各航空会社の方と綿密に話し合いを重ね、メニューを決めているとお聞きして驚きました。また自由にメニューを決められるわけでもありません。カートに入るような高さを意識したり、揺れる機内でこぼれてしまう汁物は厳しかったりといった様々な制約を考慮しながらも乗客に満足してもらえるような機内食を作っているそうです。また宗教やアレルギーなどの関係で食べられないものがある人たちにも配慮しているそうです。私がアメリカに行ったとき、一緒に行った友人には多くの食物アレルギーがありました。地上の外食でも苦労していたのを見ていたのですが、とてもおいしそうな機内食が出てきました。これはティエフケーの社員の方々の努力の結晶なのだと感じました。また2週間のアメリカ研修で、ジャンクな食べ物をたくさん食べていた私は、日本に帰る途中の機内で照り焼きチキンが出てきたとき、とても感動しました。まだ日本に帰っていないのに、ただいまという気持ちになったのを思い出しました。機内食は安心感を与えてくれるものだということを自分の経験や今回の見学で感じました。目的地に行く途中や帰る途中に食べる機内食は旅の中であまりフォーカスされません。しかし、移動中の飛行機の中でも食事を楽しんでほしいという社員の方々の思いが伝わってきました。
 次に成城大学の卒業生でもある柴﨑さんのお話を伺いました。そのなかで印象に残っているのは、クレームを言われたときの考え方です。私だったらネガティブに考えてしまってもうご縁はないんだろうなと思ってしまいます。しかし柴﨑さんはお客様が改善するチャンスを与えてくれたと考えているそうです。そのように考えるだけで仕事もポジティブに進み、お客様との接し方もより良いものになっていくのではないかと思いました。また英語やフランス語を話せる柴﨑さんを見て、世界中の人にホスピタリティを届けられるように語学の勉強を頑張ろうと思いました。
 私たちが空港で食事をとったときのトレーに、いろいろな国の言語で「ようこそ」と書かれた紙が置いてありました。慣れない海外で自分の国の言葉を見たら、嬉しい気持ちになったり、安心したりするでしょう。このような小さなところにもホスピタリティが溢れていました。
 機内食工場の方々や柴﨑さんが私たちの見えないところで私たちのことを思って働いてくださっているので、私たちは何事もなく旅行を楽しめているのだと思いました。私たちの思う当たり前が多くの人たちの頑張りのもとで成り立っていることをかみしめながら、これからも空港や飛行機を利用しようと思いました。

 私は機内食を食べたことはないのですが、フィクション作品などで見て、旅行っぽくていいな、いつか食べてみたいなと思っていました。工場見学も久しぶりで、とても楽しかったです。雲の上でご飯を食べるためにはどんな準備が必要なのか、おいしく安心して食べてもらうためにどんな工夫がされているのか、自分が今までに知らなかったことをたくさん知ることができました。カートに入るように料理の物理的な高さが決まっていたり、海外からやってきた機内食の食器やカートを再利用していたり、たくさん驚かされました。いつか絶対に機内食を食べたいと思いました。そしてその時には、今回学んだことを思い出して、たくさんの人の思いやりや工夫も意識したいと思います。
 空港で柴﨑さんと合流したときに、ブリーフィングが見学できると教えていただき、空港をめったに利用しない私にとっては、珍しい経験ができました。柴﨑さんがファーストクラスのお客様への営業を担当していて、航空会社にそのようなお仕事もあるのかと驚きました。柴﨑さんが「人間が好きでこの仕事をしている」とおっしゃったとき、私も人間が大好きで、人間について学びを深めたいと思って大学に入学したので、柴﨑さんのようなお仕事に興味がわきました。将来の仕事のイメージがまだ描けていませんが、私の知らない仕事がまだたくさんあるのだから、たくさん調べてたくさん考えようと思いました。

市川勇気様(株式会社ティエフケー アビエーションカスタマーサービス)

 学生のみなさん、このたびは、羽田空港でのフィールドスタディの一環として、弊社機内食工場へお越しいただき、誠にありがとうございました。限られた時間ではありましたが、皆さんが熱心に説明を聞き、真剣に見学してくださる姿がとても印象に残っています。
 普段、みなさんが飛行機の中で目にする機内食は、完成した一食かもしれません。しかし、その一食がお客様のもとに届くまでには、メニュー開発、食材の準備、調理、盛り付け、衛生管理、温度管理、航空機への搬入など、多くの工程があります。そして、その一つひとつに多くの人の手と心が込められています。
 ホスピタリティは、お客様の前に立つ接客だけにあるものではありません。工場で働く一人ひとりも、まだ会ったことのないお客様を思い浮かべながら仕事をしています。そうした想像力こそが、見えない場所でのホスピタリティにつながっているのだと思います。今回の見学を通して、みなさんが「直接お客様と接していなくても、相手を思う仕事はできる」ということを感じてくださったなら、とても嬉しく思います。
 これからみなさんは、大学生活の中でさまざまな学びや出会いを経験されることでしょう。将来どのような道に進んだとしても、「相手の立場に立って考えること」や「当たり前の裏側にある努力を想像すること」は、きっと大切な力になるはずです。
 いつか飛行機に乗り、機内食を召し上がる機会がありましたら、今回の見学のことを少し思い出していただけたら嬉しいです。
 みなさんがこれからの人生の中で、誰かの旅や時間を支える存在になっていかれることを、心より願っています。

成城大学のキャリア教育 Seijo Career Program(SCP)
正課科目「キャリア・プラクティスⅠ〈ホスピタリティ〉4)

 本科目では、授業15回の前半はゲストスピーカー3名よりそれぞれのホスピタリティ実践について学び、授業後半には、羽田空港と帝国ホテルへのフィールドスタディを実施、併行して学生たちはチームでホスピタリティの現場を自ら選定しアポイントをとり、各分野のスペシャリストにインタビューに参ります。インタビューのテーマは『ホスピタリティを仕事にしている人たちは何をモットーにキャリアを築いているのだろうか』。授業の終盤には、ゲストスピーカー・インタビュイーを招聘し、各々の「ホスピタリティ」の持論を語りあいます。
 成城大学には、航空業界や宿泊業界で活躍する卒業生も多く交流に恵まれ、また、キャンパスが世田谷区に位置し都内各所へのアクセスも良好なため、授業時間中にこのようなフィールドスタディが実現しています。

注)
1) 成城大学のキャリア教育 Seijo Career Program(SCP)
https://www.seijo.ac.jp/career/news/cvt4qu000000h94b.html 
2026年度「キャリア・プラクティスⅠ〈ホスピタリティ〉」シラバス
https://lc.seijo.ac.jp/lcu-web/SC_06001B00_22/referenceDirect?subjectID=202900705711&formatCD=1

2)株式会社ティー・エフ・ケー
ティエフケーでは、成田空港及び羽田空港において日本航空をはじめ国内外50社以上の航空会社への機内食の提供、航空会社ラウンジ業務の受託しています(ホームページより引用)。
https://satstfk.com/ 

3)柴﨑雄一様(本学卒業生)
世界でたった13人の「会社の顔」:ファーストクラスの顧客対応で身についた,洗練されたサービス提供 (AERA dot.の記事より)
https://dot.asahi.com/articles/-/5202?page=1  

4)2025年度 羽田空港フィールドスタディの様子
https://www.seijo.ac.jp/career/news/cvt4qu000000ls9s.html
2025年度 活動報告会の様子
https://www.seijo.ac.jp/career/news/cvt4qu000000pku9.html
2024年度 活動報告会の様子
https://www.seijo.ac.jp/career/news/cvt4qu000000gdob.html
2023年度 活動報告会の様子
https://www.seijo.ac.jp/career/news/jtmo42000001dcit.html
2022年度 活動報告会の様子
https://www.seijo.ac.jp/career/news/jtmo420000017dhy.html  
2023年度 滞在型キャリア教育プログラム『禅のおもてなし -寺泊を通した体験学習-』
https://www.seijo.ac.jp/career/news/cvt4qu0000004tca.html

文責・科目担当者 勝又あずさ(成城大学 キャリアセンター)